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柔らかい寝心地を求める人や、腰痛対策をしたい人にも人気のある「低反発マットレス」。腰痛対策になる低反発マットレスは様々なタイプの商品が展開されていますが、「自分にはどんな低反発マットレスが合っているのか」「そもそも低反発マットレスは腰痛対策に向いているのか」といった疑問も。

そこで今回は、腰痛対策向けの低反発マットレスの特徴や選び方を睡眠のプロ・加賀照虎さんが解説。

腰痛が気になる方が低反発マットレスを選ぶ場合は、多層構造タイプがおすすめです。低反発素材に高反発素材などを組み合わせたタイプは、柔らかい寝心地は維持しつつ、身体をしっかりとサポートして腰への負担を軽減してくれます」

さらに腰痛対策向けの低反発マットレスの中から、編集部がセレクトしたおすすめ商品をランキング形式で紹介します。

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上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さんのイメージ

上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん
株式会社篠原化学に入社後、海外マーチャンダイザーとして商品企画とリサーチに従事。2016年からは睡眠健康指導士として培った睡眠・寝具の知見を2000万PV超のオンラインメディア「快眠タイムズ」にて発信している。雑誌、TV、Webなどのメディア出演も多数あり、上級睡眠健康指導士として幅広く活躍中。

■ 目次

低反発マットレスは腰痛対策に向いてるの?

低反発マットレスの特徴は?

腰痛対策向け低反発マットレスおすすめランキング7選
 1位 コアラマットレス|オリジナルコアラマットレス
 2位 コアラマットレス|コアラマットレス KORE
 3位 ZINUS|GreenTea 低反発 マットレス 15cm
 4位 GOKUMIN|Takumi アルティメイトマットレス
 5位 GOKUMIN|プレミアムハイブリットマットレス
 6位 トゥルースリーパー|プレミアメルティスト
 7位 トゥルースリーパー|プレミアリッチ pr.2

腰痛対策向け低反発マットレスの選び方4STEP

低反発マットレスのメリット・デメリット

Q&A|腰の痛みを感じたときの対処法は? etc.

※コンテンツ・ランキングの制作方法等について

低反発マットレスは腰痛対策に向いてるの?

Image:Shutterstock

「低反発に限らず、マットレスは基本的に自分に合った硬さや密度のものを使うことが大切です。腰痛の原因が不自然な寝姿勢である場合は、適切なマットレスを選ぶことで腰痛のケアにつながる可能性があります。腰痛の原因が寝姿勢以外にある場合は、腰痛ケアはあまり望めないものの、適切なマットレスを選ぶことで悪化を抑止する効果は期待できるでしょう。

腰痛対策を謳うマットレスは高反発の商品が多い傾向ですが、寝姿勢や体格によっては低反発マットレスのほうが向いている場合もあります。横向き寝であまり寝返りをしない人や、やせ型~普通体型は、腰痛対策として低反発マットレスを検討してみてもいいでしょう。

上記に当てはまらないけれど低反発マットレスを使いたい方は、後述する多層構造タイプのマットレスを選ぶのがおすすめです」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

低反発マットレスの特徴

まずは低反発マットレスの特徴を解説します。

低反発の基準って? 「低反発=柔らかい」ではない!

「JIS規格では、ウレタンフォームの反発弾性率(跳ね返る力の比率)が低いもの(15%未満)が”低反発”と定義されています。つまり、上から物を落とした時に跳ね返りが少ないウレタンフォームを低反発と呼びます。

一方で”低反発マットレス”の定義は明確にはありませんが、マットレスの一部に反発弾性が低反発(15%未満)の部材が使われていれば、低反発マットレスと表現されるケースがほとんどでしょう。

例えば『コアラマットレスオリジナル』は、表面に低反発ウレタンフォームが5cm使われており、下層にはレギュラーウレタンフォームが使用されていますので、これは低反発マットレスに分類されます。また、コイルマットレスでも表面に2~3cmほど低反発ウレタンフォームが使用されていれば、低反発マットレスとしても差し支えないかと思います」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

▼ウレタンフォームの反発弾性率による分類

低反発 15%未満
一般 15~50%
高反発(高弾性) 50%以上

出典:ウレタンフォーム工業会

「また、低反発はあくまで反発弾性率を基準にしているので、低反発だからといって柔らかい寝心地とは限らないことに注意が必要です。ウレタンフォームの柔らかさはN(ニュートン)で表せるので、そちらを指標にすると良いでしょう」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

▼N(ニュートン)値による硬さの目安

硬め 110N以上
普通 75~110N未満
柔らかめ 75N未満

出典:消費者庁

低反発と高反発の違いは沈み込みの強さ

前述のとおり低反発・高反発は反発弾性率によって分類されます。寝心地や耐久性にはどのような違いがあるのか比較してみました。

▼低反発マットレスと高反発マットレスの違い

低反発 高反発(高弾性)
反発弾性率 15%未満 50%以上
特徴 身体が沈み込みやすい(反発力が低い) 身体が沈み込みにくい(反発力が高い)
寝心地 身体全体が柔らかく沈み込んでフィット感がある 身体を支えるような硬い寝心地
寝返り 抑える 促す
向いている人 やせ型~普通体型、横向きで寝る人に向いている 体格がいい人、寝返りが多い人に向いている
通気性 蒸れやすい 素材によっては(ファイバー等)蒸れにくい
耐久性 1~5年程度 5~10年程度

「一般的に、腰痛の人は寝返りを促すことを推奨されています。低反発マットレスは身体が沈み込みやすいので高反発に比べて寝返りを抑制し、体重が重くなるほど沈み込みは強くなります。低反発マットレスが体格がいい人には不向きとされているのはこれが理由です。

また、低反発マットレスは柔らかく底付き感を覚えやすいため、薄いものを使用すると床の硬さを感じやすくなります。当然腰への負担も強くなりますので、使用者の体重や体格に応じた必要最低限の厚みのあるものを選ぶといいでしょう」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

低反発マットレスの中素材は?

マットレスは大まかに内部にスプリングが入っている「コイルマットレス」と、スプリングではなくファイバーやウレタンを使用した「ノンコイルマットレス」に分けられ、低反発マットレスは「ノンコイルマットレス」に分類されます。

ノンコイルマットレスの中素材にはウレタンフォームやファイバーなどの種類がありますが、低反発マットレスの中素材はノンコイルのなかでも「低反発ウレタンフォーム」が大半です。

Screenshot:Amazon.co.jp

「低反発ウレタンフォームを使用したマットレスは、高反発マットレスに比べるとやや値段が高くなる傾向がありますが、身体にフィットした柔らかい寝心地を求める人に人気です。」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)


腰痛対策におすすめの低反発マットレスランキング7選

ここからは腰痛対策におすすめの低反発マットレスをランキング形式でご紹介。商品はインターネットで人気のものから編集部が厳選し、ランク付けしています。加賀さんにお聞きした選び方の観点を参考に、人気・価格・保証期間のほか、腰痛が気になる方におすすめの多層構造のタイプであるかなどを評価のポイントとしました。

順位 ブランド|商品名 価格 使用スタイル 厚さ/重量 構造 洗濯 保証
1 コアラマットレス|オリジナ
ルコアラマットレス
69,900円 ベッドマットレス 約21cm/約15.8kg 3層 カバー洗濯可 10年
2 コアラマットレス|コアラ
マットレス KORE
89,900円 ベッドマットレス 約21cm/約15.8kg 3層 不可 10年
3 ZINUS|GreenTea 低反発
マットレス 15cm
13,990円 ベッドマットレス 約15cm/約8.57kg 3層 不可 5年
4 GOKUMIN|Takumi アルティ
メイトマットレス
29,998円 ベッドマットレス 15cm/13.5kg 4層 カバー洗濯可 1年
5 GOKUMIN|プレミアムハイ
ブリットマットレス
13,998円 トッパー 約6cm/約4.7kg 2層 カバー洗濯可 1年
6 トゥルースリーパー|プレミ
アメルティスト
54,780円 トッパー 約5cm/約4.7kg 3層 不可 1年
7 トゥルースリーパー|プレミ
アリッチ pr.2
39,800円 トッパー 約5cm/約4.7kg 2層 カバー洗濯可 1年

※価格は執筆時現在のAmazonのもの。サイズはシングル

1位:コアラマットレス|オリジナルコアラマットレス

3層構造で程よい柔らかさと体圧分散性を両立

世界中で人気を集めている「コアラマットレス®」のオリジナルモデル。3層構造で、上層部には程よい柔らかさと弾力性を兼ね備えた独自開発のウレタンフォーム「クラウドセル™」を使用。中間層は振動を吸収する硬めのクッション、下層部は硬めの高反発素材を使用し、体圧を理想的に分散するので、腰への負担もかかりにくくなります

通気性の良い「クラウドセル™」に加え、マットレス内部が空気の流れをコントロールする構造になっているので、熱や湿気がこもりにくくドライで快適な寝心地が体験できるのも魅力。10年の長期保証に加え120日間無料トライアルもあるので、腰痛対策のために多層構造の低反発マットレスを試してみたいという方の入門編としてもおすすめです。

使用スタイル ベッドマットレス
サイズ展開 シングル、セミダブル、ダブル、クイーン、キング
素材/構造 ポリウレタンフォーム/3層
側生地(カバー) テンセル™リヨセル繊維を使用
厚さ/重さ 厚さ:約21cm/重さ:約15.8kg
硬さ/密度 硬さ:ふつう/密度:-
折りたたみ 不可
メンテナンス カバーのみ洗濯可
保証期間 10年

2位:コアラマットレス|コアラマットレス KORE

腰の状態に合わせて、自宅で寝心地が調整できる

「コアラマットレス®」定番の「オリジナルコアラマットレス」と同様の3層構造ですが、「コアラマットレス KORE」は、「かため」と「ふつう」の2種類の硬さが選べるのが特徴で、より腰の状態に合わせた寝心地を追及できます。入れ替えも簡単なので、「どの硬さが自分に合っているのかわからない」という人にもおすすめです。

「オリジナルコアラマットレス」と同様に通気性にも優れており、快適な寝心地が続きそうです。低反発マットレスとしてはやや高額の価格帯ですが、迷う方は120日間無料トライアルで試してから検討するといいでしょう。

使用スタイル ベッドマットレス
サイズ展開 シングル、セミダブル、ダブル、クイーン、キング
素材/構造 ポリウレタンフォーム/3層
側生地(カバー) テンセル™リヨセル繊維を使用
厚さ/重さ 厚さ:約23cm/重さ:約19.4kg
硬さ/密度 硬さ:硬め・普通(リバーシブル)/密度:-
折りたたみ 不可
メンテナンス 洗濯不可
保証期間 10年

3位:ZINUS|GreenTea 低反発 マットレス 15cm

3層構造で腰をしっかり支える

全世界で累計1500万枚以上のマットレス販売実績をもつ「ZINUS」。「GreenTea 低反発 マットレス 15cm」は、天然の緑茶成分や活性炭を配合した低反発ウレタン「GreemTeaメモリーフォーム」に、高密度のベースフォーム、通気性にも優れた波型フォームを組み合わせた3層構造のマットレスです。体圧分散性に優れているので腰に負担のかかりにくいのが特徴

側生地はプレミアムクラスのマットレスにも使用されるジャガード織で、ポリエステル100%ながら一定の通気性を確保。使用されているすべての素材と製造プロセスでOEKO-TEX(エコテックス)認証を取得している点も安心です。

使用スタイル ベッドマットレス
サイズ展開 シングル、セミダブル、ダブル、クイーン
素材/構造 ウレタンフォーム/3層
側生地(カバー) ポリエステル100%
厚さ/重さ 厚さ:約15cm/重さ:約8.57kg
硬さ/密度 硬さ:柔らかめ・硬め(リバーシブル)/密度:-
折りたたみ 不可
メンテナンス 洗濯不可
保証期間 5年

4位:GOKUMIN|Takumi アルティメイトマットレス

125パターンから腰の状態に合わせた寝心地がつくれる

「Takumi アルティメイトマットレス」は「GOKUMIN」シリーズの三つ折りマットレスの中でも上位モデルに位置する複層タイプ。頭部・腰部・脚部の中素材をそれぞれ低反発・高弾性・180N高反発・250N高反発フラット・250N高反発凹凸の4層を入れ替えることで全125パターンの寝心地に調整可能です。腰部のみ高反発に、頭部や脚部を低反発にして腰痛対策と包まれるような寝心地を両立するといった使い方ができ、部位や層をローテーションすることでヘタリを抑えられます

ウレタンフォームには消臭・調湿・抗菌効果が期待できる竹炭を配合、さらに付属のカバーは取り外して洗濯可能なので清潔に保てるのも魅力です。

使用スタイル ベッドマットレス、敷布団
サイズ展開 セミシングル、シングル、セミダブル、ダブル
素材/構造 ウレタンフォーム/4層
側生地(カバー) 表面:レーヨン30%、ポリエステル70% 裏面:ポリエステル生地
厚さ/重さ 厚さ:約15cm/重さ:約13.5kg
硬さ/密度 硬さ:柔らかめ~硬め(高反発層180N・250N)/密度:34~55D
折りたたみ 三つ折り
メンテナンス カバーのみ洗濯可
保証期間 1年

5位:GOKUMIN|プレミアムハイブリットマットレス

頭部は柔らかく、腰部は硬めといった使い方も!

公式サイトで詳細を見る

シリーズ180万個突破の「GOKUMIN」シリーズ。三つ折りマットレスの中でも手ごろな価格帯の「プレミアムハイブリットマットレス」は、低反発ウレタンと高反発ウレタンを裏表で組み合わせた2層構造のトッパータイプ。頭部、腰部、脚部の3ゾーンそれぞれで高反発・低反発を選んでカスタマイズが可能なので、腰痛対策のために腰部のみ高反発にするのもおすすめです。

また、3つに分割されたマットレスを入れ替えて定期的にローテーションすることでヘタリも軽減。ウレタンフォームには消臭・調湿・抗菌効果が期待できる竹炭を配合、付属のカバーはレーヨン混で通気性も十分です。

使用スタイル トッパー
サイズ展開 スリム幅80cm、シングル、セミダブル、ダブル
素材/構造 ウレタンフォーム/2層
側生地(カバー) レーヨン30%、ポリエステル70%
厚さ/重さ 厚さ:約6cm/重さ:約4.7kg
硬さ/密度 硬さ:やや硬め(180N)※高反発層/密度:低反発層42D、高反発層34D
折りたたみ 三つ折り
メンテナンス カバーのみ洗濯可
保証期間 1年

6位:トゥルースリーパー|プレミアメルティスト

3層構造で腰や肩への負担を軽減

「プレミアメルティスト」は、「ショップジャパン」が販売する寝具ブランド「トゥルースリーパー」のオーバーレイマットレス(トッパータイプ)の最上位モデル。低反発、高反発、波型素材の、硬さと形状の異なる素材を重ねた3層構造で体圧分散性がよく、睡眠中の腰や肩への負担を軽減します。

抗菌防臭・防カビ・防ダニ仕様で、安心感や清潔感があるのも魅力。今使用しているマットレスや敷布団の上に重ねるだけで使用できるので、手軽に寝心地を変えたり、腰痛対策ができます。

使用スタイル トッパー
サイズ展開 シングル、セミダブル、ダブル
素材/構造 ウレタンフォーム/3層
側生地(カバー) 表側:レーヨン30%、 ポリエステル70% 側面・裏側 : ポリエステル100%
厚さ/重さ 厚さ:約10cm/重さ:約9.2kg
硬さ/密度 硬さ:硬い/密度:-
折りたたみ 不可
メンテナンス 洗濯不可(汚れた場合は水で濡らした布をかたく絞ってたたく)
保証期間 1年

7位:トゥルースリーパー|プレミアリッチ pr.2

トッパータイプで扱いやすい、腰痛対策の定番シリーズ

高級旅館でも採用されている「プレミアリッチ」は、「トゥルースリーパー」ブランドの中でも特に人気のシリーズ。独自開発の低反発素材と高反発素材の2層構造で、低反発ならではの包み込まれるような寝心地と身体全体を下から支える安定感を両立。体圧分散性にも優れており、腰や肩への負担を軽減します。

こちらもベッドや布団の上に重ねる使用するトッパータイプ。薄く扱いやすいので、布団の出し入れの際にも腰への負荷が少なく一枚追加できます。1年間の品質保証に加え、60日間の返品保証があるのも嬉しいポイントです。

使用スタイル トッパー
サイズ展開 シングル、セミダブル、ダブル、クイーン
素材/構造 ウレタンフォーム/2層
側生地(カバー) ポリエステル100%
厚さ/重さ 厚さ:約5cm/重さ:約4.7kg
硬さ/密度 硬さ:柔らかめ/密度:-
折りたたみ 非推奨
メンテナンス カバーのみ洗濯可
保証期間 1年

腰痛対策向け低反発マットレスの選び方4STEP

ここからは、腰痛対策に適した低反発マットレスの選び方のポイントを解説します。素材や硬さ、厚さや層数など、求める寝心地や用途に合わせて選んでみてください。 

STEP1.構造を選ぶ
STEP2.硬さを選ぶ
STEP3.厚さを選ぶ
STEP4.サイズを選ぶ

STEP1.構造を選ぶ

低反発マットレスには、低反発素材のみの「単層構造」のタイプと、低反発素材に高反発素材などを組み合わせた「多層構造」のタイプがあります。

腰痛が気になる方であれば多層構造のものがおすすめです。低反発素材に高反発素材などを組み合わせたタイプは、表面が柔らかくとも、その下で身体をしっかりとサポートしてくれます。

低反発素材のみの単層構造タイプに比べて寝返りを促す反発力があるので、腰が沈み込むことや寝返りがしづらくなって腰を傷めることを避けやすくなります」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

▼多層構造のマットレスのイメージ

Image: Shutterstock

STEP2.硬さを選ぶ

「マットレスの硬さは、慣れ(好み)、使用者の体格、寝姿勢の3点を考慮して選びましょう。特に腰痛のある方が不適切な硬さのマットレスを使用すると、腰に余計な負担がかかり腰痛が悪化してしまう可能性もあるので硬さ選びは重要です。

Image: Shutterstock

「一般的にマットレスの硬さは、横になったときに腰の隙間が埋まるものが理想とされています。腰の部分だけ沈み込んで身体が『くの字』になっているなら柔らかすぎ、横になったときに腰が浮いているなら硬すぎると言えます。

まずは、柔らかすぎるものや硬すぎるものは避けて、慣れ親しんだ好みの硬さから大きく外れないものを選ぶことが大切。既存の寝心地から大きく変わると違和感で腰痛がひどくなることがあります。

腰痛対策として低反発マットレスを活用できるのはやせ型で横向き寝の人。その条件で選ぶとすれば、柔らかめのものが合いやすいでしょう。」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

STEP3.厚さを選ぶ

ベッドフレームを使用する場合も床に直接敷く場合も、低反発マットレスの厚さは使用者の体重に合わせて選ぶのが基本です。

一般的なウレタンフォームのマットレスでは、体重が60kgの方なら最低でも7cm以上の厚みが必要です。低反発マットレスの場合は、沈み込みが強く底付き感を覚えやすくなりますので、さらに+1~2cmほど厚みがあるものを選ぶと寝心地を維持できると思います。

腰痛が気になる方であれば、必要最低限からさらに+数cm余裕を持って選ぶと安心感を持って眠れるでしょう」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

▼体重に対するマットレスの必要な厚さの目安

使用者の体重 必要最低限の厚さ
一般的なウレタン
フォーム
低反発ウレタン ファイバー
30kg 5cm 6cm 3cm
60kg 7cm 8cm 5cm
80kg 10cm 11cm 7cm
100kg 13cm 14cm 10cm

参考:快眠タイムズ

「さらに、腰を痛めている方は、マットレスの手入れのためにかがむ動作が辛いことがあるかと思います。寝床の高さが低すぎず高すぎない45cm前後になるよう、ベッドフレームとマットレスの高さを調整するといいでしょう。また、畳んだり壁に立て掛けたりといった動作が必要になる床敷のマットレスや、分厚く重いマットレスは手入れの際に腰に負担がかかる場合もあります。日々のメンテナンスのことも考えて、薄すぎず分厚すぎない15cm~25cm程度の厚みのものをベッドの上で使うのがいいでしょう」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

「なお、”トッパー”と呼ばれる厚さ3~5cm程度の薄型のものは、主にマットレスの硬さを調整する用途で使われます。特に低反発マットレスはこのタイプが豊富ですが、必ず敷き布団やベッドマットレスとセットで使うようにしましょう。トッパーは安価なものが多く、コストを抑えて寝心地を改善したい人に向いています」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

▼トッパーの例

STEP4.サイズを選ぶ

Image: Shutterstock

低反発マットレスのサイズはシングル~ダブルが定番ですが、商品によってはクイーンやキングサイズも展開されています。使用するスペースのサイズ、用途に合わせて選びましょう。

「寝床は広い方が寝返りがしやすく寝やすいので、マットレスは予算や部屋のスペースを考慮しつつ、なるべく大きいサイズを選ぶといいでしょう。

一般的には肩幅+20cmのスペースが左右にあると良いとされています。日本人男性の平均的な肩幅は45cm、日本人女性の平均的な肩幅は40cmとされているので、これをもとに考えると、1人で寝る場合は男性であればシングルサイズ以上、女性であればセミシングルサイズ以上となります」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

▼マットレスのサイズと使用人数の目安

サイズ 寸法 使用人数の目安
セミシングル 幅80cm×長さ195cm 1人
シングル 幅97cm×長さ195cm 1人
セミダブル 幅120cm×長さ195cm 1人
ダブル 幅140cm×長さ195cm 1~2人
クイーン 幅160cm×長さ195cm 2人
キング 幅180cm×長さ195cm 2~3人

「2人以上で寝る場合は、単純計算で145cm幅が必要になりますので、小柄な方同士でなければ、クイーンサイズ以上を選ぶといいでしょう。

また、複数人が同じベッドを使うと、相手の振動を感じるため睡眠の質が低下します。睡眠の質を向上させたいなら、2人で使う場合もシングルやセミダブルのマットレスを2つ並べて使うのがおすすめ。寝返りによる振動の影響も受けませんし、収納・管理がしやすいですよ」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

低反発マットレスのメリットとデメリット

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低反発マットレスのメリット・デメリットについて、腰痛対策で注目したいポイントとともに解説します。

【メリット】
・横向き寝で寝返りが少ないなら腰痛対策に使える
・包み込まれるような寝心地の良さを感じられる
・身体にフィットしやすい
・理想的な寝姿勢が保持しやすい
・横向き姿勢でも安定する

「低反発マットレスの一番のメリットは、包みこまれるような寝心地の良さを感じられること。また身体にフィットしやすく寝姿勢を保持しやすいので、横向き姿勢などで寝返りをあまりうたない人が使うと腰痛のケアになる可能性があります」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

【デメリット】
・仰向け寝の人が使うと腰痛悪化の原因になる可能性がある
・体格の良い人が使うと、腰痛悪化の原因になる可能性がある
・寝返りがうちにくい
・通気性が悪い
・やや重め
・価格が高め

「ただし、柔らかすぎる、底打ち感を覚えるなど身体に合わないものを使うと腰痛の原因になる場合があるので注意しましょう。特に低反発マットレスは沈み込みが大きいので、寝返りが打てずに同じ姿勢を続けると腰への負担が大きくなります。そのため、仰向けで寝る人や体格のいい人が使うと腰痛を逆に悪化させてしまう可能性があります。

また、低反発マットレスは通気性が良くないため、汗かきの人や爽やかな寝心地を求める人は吸水性の高いシーツを使用するなどの工夫が必要です。価格が高めになりがちなところにも留意しておくといいでしょう」(上級睡眠健康指導士・加賀 照虎さん)

Q&A|腰の痛みを感じた場合の対処法は? etc.

腰痛対策に低反発マットレスを使う際の疑問に加賀さんが回答。腰の痛みを感じた場合や、寝心地が合わない場合の対処法などを教えてもらいました。

Q.低反発マットレスを使用して腰の痛みを感じた場合の対処法は?

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A.「購入したマットレスが合わない時は、可能であれば返品するか買い替えましょう。すぐにそのような対応ができない場合は、低反発タイプ以外(一般~高反発)のマットレストッパーなどを買い足して、寝心地を調整するといいでしょう。

腰が落ち込んでいるように感じる場合は、落ち込んでいる箇所にタオルなど挟む方法もありますが、寝心地は悪くなりますのであくまで応急処置的な対応になります。

腰の痛みが低反発マットレスが原因ではない可能性も考えられますので、痛みがひどければ専門医に腰の状態を診てもらうことをおすすめします」

Q.低反発マットレスが柔らかすぎると感じるときは?

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A.「こちらのケースも返品や買い替えを検討してみて、難しい場合は低反発タイプ以外(一般~高反発)のマットレストッパーなどを組み合わせて寝心地を調整するといいでしょう。ただし、低反発マットレスが沈み込みすぎると感じる場合はマットレストッパー1枚では改善が難しいので、マットレス自体を買い替えることをおすすめします。

また、多層構造のマットレスであれば、ひっくり返して使うことで低反発の柔らかい寝心地を避けて使うこともできます。下層には硬めのウレタンが使われているケースが大半ですので、かなり硬めの寝心地にはなると思いますが、応急的な対応の1つとして参考にしてみてください」

Q.低反発マットレスで底付き感がある場合の対処法は?

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A.「新品であればお店に返品できないか相談しましょう。返品が難しい場合は、マットレストッパーをマットレスの上に重ねたり、アンダーマットレスをマットレスの下に敷くなどの対策をしてみてください

経年劣化によって寝心地が悪くなったり底付き感が出てきた場合は、マットレスの買い替えを検討しましょう」

Q.低反発マットレスを敷布団のように直接床に敷く時の注意点は?

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A.「マットレスの厚みが足りないと床の硬さを感じやすくなりますので、使用者の体重に応じて、必要最低限の厚みのあるものを選びましょう。

また、床に敷きっぱなしにしていると湿気が溜まってカビが発生しますので、こまめに壁に立てかけるなどして湿気対策をしましょう。

持ち運びやすく立てかけやすい三つ折り構造のものを選ぶとお手入れがやりやすくなるのでおすすめです」

Q. 低反発マットレスの寿命の目安はどのくらい?

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A.「低反発マットレスの寿命の目安は1~5年程度

安いものは寿命が来る前に、へこんできて寝心地が悪くなるだけでなく、腰が沈んで負担になる可能性も。お尻の部分を手で触ってみて、へこんできたら買い替え時期ですね」

Q.マットレスを替えたら、枕も低反発にしたほうがいい?

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A.「特にマットレスと枕で合わせる必要はないと思いますので、好みで選ぶといいでしょう」

Q.低反発マットレスが暑苦しく感じるときの対処法は?

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A.「マットレスの購入時は側生地がポリエステル100%ではなく、レーヨンなどの繊維がブレンドされているタイプを選ぶといいでしょう

マットレス購入後に暑苦しさが気になる場合は、吸水性のいい生地を使ったシーツや吸湿性のある中材が入った敷パッドを組み合わせて使うと、暑苦しさが軽減されると思います」

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