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折りたためて収納しやすい、コンパクトなマットレス。たまにしか使わない来客用、一人暮らしや車中泊用にも向いています。薄いものほど軽量で持ち運びもしやすいですが、選ぶときは寝心地との兼ね合いを考慮することが大切です。

「コンパクトとはいえ、底つき感(床の硬さを感じる)を覚えたくないなら直置きする場合は最低8cm以上の厚みがあるとよいでしょう。三つ折りや六つ折りは折りたためるので収納がしやすいです。最近は折り目の違和感が気にならないものが多いですが、素材によっては感じてしまうものも。また、安価でヘタリやすいイメージももたれるコンパクトなマットレスですが、長期保証がついている製品は耐久性に優れている傾向があります」

今回は、上級睡眠改善インストラクターの安達直美さんがコンパクトで収納しやすいマットレスの選び方を解説します。また、編集部おすすめのコンパクトなマットレスをランキング形式でご紹介。

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上級睡眠改善インストラクター・安達直美さんのイメージ

上級睡眠改善インストラクター・安達直美さん
国内大手航空会社で国際線客室乗務員として勤務後、寝装品メーカーの研究所で主任研究収納しやすい&員として睡眠に関わる研究に従事。睡眠文化戦略コーディネーターを経て現職に至る。リラクゼーション及び眠りに関するコーディネーターとして、エビデンスをもとにしたユーザーオリエンテッドマーケティングに携わる。雑誌・WEB掲載やTV出演もあり、現在は主に、睡眠健康教室などの講師として活躍中。

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【収納しやすい!】コンパクトなマットレスの選び方

ここからは、コンパクトで収納しやすいマットレスの選び方のポイントを6つに絞って解説。

1.形状
2.予算
3.厚み
4.かたさ
5.素材
6.サイズ

1.形状


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コンパクトなマットレスの種類は、「三つ折り」「六つ折り」「一枚もの」に分けられます。

「三つ折りや六つ折りのマットレスは、たたむと形状が四角くなるため、収納の際に重ねられて便利です。最近は、メーカーの研究開発により、寝たときに折り目の違和感を覚えないものが大半。素材によっては折り目が気になることもありますが、ベットパットを使うことで緩和できます。また、持ち手付きの製品であれば、持ち運びがしやすいでしょう。

六つ折りは、三つ折りよりもコンパクトになるため収納しやすいですが、選べる商品数が少ないのがデメリット。また折り目が多いものほど製造コストがかかるため、三つ折りよりも高額になる傾向があります。

一枚もののマットレスは、折り目がなく滑らかな寝心地なのが魅力です。バンドで固定することでたためる製品がありますが、丸めてバンドで止める作業は、毎日行なうと面倒に感じることがあるでしょう」

2.予算

コンパクトなマットレスは1万円以下の安いモデルも多いですが、なかには5万円以上するような高額なモデルもあります。

「マットレスは安いものほど耐久性が低い傾向にあります。来客用のように使う頻度が少ないものであれば、さほど劣化しないので1万円以下の安いものでも問題ないでしょう。

長年使いたいのであれば、3万円以上するような高額な製品がおすすめ。保証期間は耐久性の目安になり、3万円以上の製品になると保証期間が3年以上と長いものもあります。また、腰痛の人はヘタりによるダメージを敏感に受けやすいため、高額なモデルがおすすめ。

また、全体的にコンパクトなマットレスは安価なものも多いですが、寝心地にこだわった高級モデルもあります。7万円以上の製品のなかには体の各部位に合わせた形状や硬さにすることで、高いフィット感や体圧分散性を実現しているものなどがあります」

3.厚み

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コンパクトなマットレスは、厚みがあるもので10cm程度5cm以下になるとトッパーと呼ばれ、マットレスや敷布団の上に敷いて寝心地を変える用途に使われます。

薄いもののほうが軽量で持ち運びしやすいですが、厚みがあるものほど底つき感を覚えにくく寝心地はよいです。持ち運びやすさと寝心地のバランスを考慮して厚みには注目してみてください。

直置きするのであれば最低8cm以上フローリングのような硬い場所に敷くなら10cm以上あると底つき感は覚えにくいでしょう。

ただし、同じ厚みでも使われている素材によって底つき感は異なります。硬いもののほうが底つき感は軽減されます。また、商品説明に一枚敷きできることを謳っているものは、薄くても底つきを感じにくい工夫が施されている場合も多いです。

来客用なら、厚いものを1枚ではなく薄いものを2~3枚買うのはおすすめ。来客が一人のときは複数枚を重ねて使用し、複数人来た場合は分けて使うこともできます。重ねて使う際は滑り止めシートを使えば、マットレスがずれるのも防止できます」

▼人気の滑り止めシート

4.硬さ

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コンパクトな商品のかたさは、硬いものからやわらかいものまでさまざま。適切なかたさを選択しないと、腰痛や肩こりの原因になることも。

「自分に合うマットレスの条件は、寝たときに腰の隙間が埋まるもの腰がくの字に沈む場合はやわらかすぎで、逆に腰が浮く場合は硬すぎる証拠

なお、体重70kg以上のがっちりした体型の人は硬め、50kg以下程度の小柄な人にはやわらかめが好まれる傾向があります。かたさの目安はニュートン(N)値が参考になるでしょう。110N以上が硬めとされており、200Nを超えると非常に硬いです。自分にとって適切な硬さがわからなければ、硬めが好きでも150Nくらいまでのものを選ぶほうが無難でしょう。

来客用で誰が使うか検討がつきにくい場合は、硬めのほうがあとからかたさを調整できるのでおすすめ。マットレスは、やわらかいものを硬くはできませんが、硬いものなら布団やタオルケットなどでタッチをやわらかくできます

▼N(ニュートン)値による硬さの目安

硬め 110N以上
普通 75~110N未満
柔らかめ 75N未満

参考:消費者庁

5.素材


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コンパクトなマットレスに使われている素材は、「高反発ウレタン」「低反発ウレタン」「ファイバー」が主。寝心地の好み・通気性・メンテナンス性を考慮して選びましょう。

「高反発ウレタンは硬めの寝心地で寝返りがしやすいです。寝返りがしやすいことで、体の一部に負担が集中することを防止できるため、腰痛対策にも向いています。また低反発に比べると通気性も高く、ムレにくいです。コンパクトなマットレスの大半が、高反発ウレタンを採用しています。

低反発ウレタンは、沈み込んで包まれるような寝心地です。高反発だと硬くて腰の部分に隙間ができてしまう人にはぴったり。ただし通気性に優れないため、ムレやすいです。また、水に弱いため汗をかく人はシーツや敷きパッドを敷く必要があるでしょう。

ファイバーは通気性が抜群で、汗っかきの人にも向いているでしょう。高額ですが、水洗いができるため、衛生面重視の人にはおすすめ。

また、寝たときに安心感があることも、選ぶうえで非常に重要です。実際にお店で寝てみて、好みに合うかを判断してみるのもよいでしょう」

6.サイズ

サイズはなるべくコンパクトなものを選びたいものですが、寝心地とのバランスを考慮して選ぶことが大切。

「収納スペースのことを考えるとコンパクトなほどよいですが、サイズが大きいもののほうが寝心地はよい傾向があります。人間は眠っているときも、ベッドから落ちないように無意識のうちにベッドの幅を意識しています。幅が狭いと脳が緊張感をもつため、眠りの質が浅くなるでしょう。寝心地を重視するなら、一人用でもダブルサイズを使うのがおすすめ。

車中泊用は、車内の横幅のスペースに収まるものを選ぶことが重要です。ぴったり合う商品は少ないため、サイズは慎重に確認するとよいでしょう。そもそも、一般的な寝具メーカーの商品のなかには、アウトドア向けの商品が限られている傾向があります。車中泊用や、キャンプ用なら、一般的なマットレスだけでなく専用の車中泊用のマットや寝袋も検討してみるのもよいでしょう」

▼コンパクトなマットレスの主なサイズ

サイズ 寸法の目安
セミシングル 幅85cn×長さ195cm
シングル 幅97cm×長さ195cm
セミダブル 幅120cm×長さ195cm
ダブル 幅140cm×長さ195cm

【収納しやすい!】コンパクトなマットレスおすすめランキング11選

ここからはコンパクトなマットレスのおすすめランキングをご紹介。編集部が折りたためる人気商品から厳選し、ランク付けしています。安達さんにお聞きした選び方の観点を参考に、収納のしやすさ・人気・コスパなどを評価のポイントとしました。

※価格は執筆時現在のAmazon・楽天・公式通販のもの。サイズはシングル

1位:マニフレックス サステナブルウィング

しっかりとした寝心地&キャリーハンドル付きで持ち運びがラク

イタリア発のメーカー「マニフレックス」の累計販売数200万個以上の人気三つ折りマットレスシリーズ。サステナブルウイングは、収納性と寝心地のよさを兼ね備えているモデルです。

重量は6kgでキャリーハンドル付きなので、腕に力のない女性でも、持ち運びしやすいでしょう。三つ折りできるため、コンパクトに収納しやすいです。

厚み10cmで硬めのしっかりとした寝心地を実現しています。空気を含む性質の素材「エリオセル」を採用しているため、ムレにくいのも魅力。7年保証付きで耐久性重視の人にはおすすめ。

かたさ 硬い
素材 エリオセル
厚さ 10cm
重量(シングル) 約6kg
サイズ展開 セミシングル・シングル・セミダブル・ダブル

2位:エアウィーヴ スマート Z01 シングル

水洗いできるものがよい人向き

高級寝具メーカー「エアウィーヴ」のマットレス。なかでも、スマート Z01は三つ折り可能でコンパクトに収納できるのが特徴。厚さは9cmで、一枚敷きして使えます。

中材はシャワーで洗えるのが特徴で、衛生面を重視する人にも向いているでしょう。自立するため、普段のお手入れは縦置きにして通気させるだけでOK。

高額ですが、3年保証付きで長年使いたい人にもおすすめ。肩・腰・脚の中材を、入れ替えて使うことでより長持ちします。

かたさ 硬め
素材 エアファイバーR
厚さ 9cm(※エアファイバーR約8.0cm厚使用)
重量(シングル) 約9kg
サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル

3位:アキレス マットレス 折りたたみ MK6-SSS BK

高硬度で薄くても底つき感を軽減

車中泊用として人気のアキレスのマットレス。六つ折りできるため、コンパクトに収納できます。4cmと薄めですが、硬度が265Nと高いため、車中泊時に背中に凹凸を感じることが軽減されます。

シングルより小さめのサイズも展開。スモールセミシングル(ヨコ60×タテ180×厚み4cm)、セミシングル(ヨコ80×タテ180×厚み4cm)、シングル(ヨコ97×タテ210×厚み4cm)と車のサイズに合わせて選べます。

スモールシングルの重量は2.9kgと軽量で持ち運びもしやすいです。

かたさ 265N
素材 ウレタンフォーム
厚さ 4cm
重量(シングル) 約5.2kg
サイズ展開 スモールセミシングル・セミシングル・シングル

4位:アイリスプラザ マットレス エアリー エクストラタイプ AMEX-6S

水洗いできる六つ折り

六つ折りできるため、コンパクトでかさばりにくいです。収納ケース付きで、持ち運びのしやすさも◎

中材には体積の95%が空気で構成された「エアロキューブ」を採用し、軽量で通気性もよいのが魅力です。また、カバーを付けたままシャワーで水洗いできるのが特徴。汚れを気にする人にもおすすめ。

厚みは5cmと薄めのため、寝具に重ねて使う用途に向いています。高反発で硬めなので、一枚置きで使うことも推奨されています。

かたさ 硬め
素材 エアロキューブ
厚さ 5cm
重量(シングル) 約3.9kg
サイズ展開 シングル

5位:GOKUMIN プレミアムグランマットレス

27パターンから寝心地を選べる

比較的手頃な価格でありながら、寝心地を変えられるのが魅力。

180Nと250Nの二層構造を採用。また、頭部・腰部・脚の三か所の硬さを変えられるため、27パターンの寝心地から選択が可能です。ヘタリやすい腰部を入れ替えられるので、長期間使いやすい仕様でもあります

厚みが10cmあるため、直接床に敷いても、底つきを感じにくいでしょう。

かたさ 180N・250N(2層構造)
素材 ウレタン
厚さ 10cm
重量(シングル) 6.5kg
サイズ展開 セミシングル・シングル・セミダブル・ダブル

6位:アイリスオーヤマ マットレストッパー LPT4-S

5,000円程度の低反発トッパー

価格が手頃な低反発のトッパー。使っている寝具の硬さを安価に調整することができます。やわらかい寝心地を好む人にもおすすめ

4隅にゴムバンド付きで、敷布団やマットレスに固定できるので、ずれにくいのも魅力です。折り目はありませんが、三つ折りにたたむことが可能で収納もしやすいです。

かたさ やわらかい
素材 ウレタンフォーム
厚さ 4cm
重量(シングル) 5kg
サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル

7位:タンスのゲン マットレス シングル 厚10cm 「純」 13810084 (70978)

リーズナブルで厚みのある三つ折り

累計190万枚突破の人気シリーズの高反発マットレス。三つ折りできるため、収納しやすいです。厚みが10cmあり、底つき感を覚えにくいです。

7,000円程度のリーズナブルな価格は魅力で、安価な来客用マットレスがほしい人にもおすすめ。190Nと非常に硬めの寝心地のため、寝返りが多い人にも向いているでしょう。ウレタン特有のにおいを軽減しているのも特長です。

かたさ 190N
素材 高反発ウレタンフォーム
厚さ 10cm
重量(シングル) 4.3kg
サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル

8位:ニトリ 高反発三つ折りマットレス((MSA S GR)

カラーやサイズにこだわりがある人向き

ニトリで人気の高反発マットレス。厚さ10cmで底つき感を覚えにくく、190N硬めの寝心地。三つ折りできるので、コンパクトに収納しやすいです。

5色・5サイズとバリエーションが豊富なのが魅力。カラーは、ホワイト・ブラウン・モカ・グリーン・ネイビーから選べます。

保証年数は1年。価格が安く、すぐに買い替えるような使い方にも向いています。

かたさ 190N
素材 ウレタン
厚さ 10cm
重量(シングル) 5.5kg
サイズ展開 セミシングルショート・セミシングル・シングル・セミダブル・ダブル

9位:西川 エニーマット マットレス シングル 246057293

収納用バンド付き。通気性に優れる高反発マットレス

国産メーカー「西川」が提供する高反発のウレタンマットレス。一枚もののマットレスですが、収納用固定バンド付きで丸めてコンパクトになるのが特徴。ベルト付きのため、持ち運びしやすいです。

立体メッシュ生地を採用し、エアーホール加工を施すことで、ムレにくく通気性のよい構造になっているのも魅力です。厚みは7cmで床に直置きや、ベッドに重ねて使用することができます。

かたさ 180N
素材 ウレタンフォーム
厚さ 7cm
重量(シングル) 約5.5kg
サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル

10位:MIZUNO(ミズノ)リフル マットレス700

収納性&寝心地を兼ね備えた、高級な六つ折り

国産の大手スポーツメーカー「MIZUNO」が手掛けるマットレス。六つ折りにも三つ折りにもたためて、収納や持ち運びがしやすいです。

頭・肩・腰・かかと・ふくらはぎ・太ももと6つのゾーンごとに異なる特徴をもち、高い体圧分散性とフィット感を兼ね備えています。3層構造の高反発素材を採用し、少ない力で寝返りが打てるのも魅力。

硬さと弾力性を両立した素材を採用。7cmと薄めですが、底つきを軽減し、直置きも推奨されています。高額でも、寝心地のよさと収納性を求める人には向いているでしょう。

かたさ ふつう
素材 コットン
厚さ 7cm
重量(シングル) 約5.5kg
サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル

11位:高反発マットレス モットン

ゴムバンドで折りたためる、寝返りが打ちやすい高反発

一枚もののマットレスですが、ゴムバンドで二つ折りにも三つ折りにたたむことができるため、押入れに収納する際も便利。

独自開発の高反発ウレタンフォーム「ナノスリー」を採用。寝返りが打ちやすい反発力にこだわり、寝返りする際のエネルギー量が約80%ですむというデータもあります。中材は泡の大きさを調整することで、通気性が高くムレにくい仕様に。

厚さ10cmのボリュームがあり、直置きでも使えます。耐久性も優秀なため、腰痛対策向きのマットレスとしても人気。

かたさ 170N
素材 ナノスリー
厚さ 10cm
重量(シングル) 約5.5kg
サイズ展開 シングル・セミダブル・ダブル

Q&A|収納方法など

Q.マットレスの適切な収納方法は?

A.「マットレスの上に重いものをのせるとヘタりの原因になるので、立てて収納するのが理想です。押入れに入れっぱなしにすると、カビが生える原因になるため、湿気がこもらないように定期的に換気して空気を入れ替えるようにしましょう」

Q.エアーベッドはマットレス同様に使える?

A.「エアーベッドは空気を入れて膨らませて使うため、収納場所を取らないのが魅力です。ただし、ビニールなのでミシミシという音が気になるのと、やわらかすぎて安定した姿勢を保つのは難しいです。どうしても振動も感じやすいので、寝心地を重視する人には不向きでしょう」

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取材・執筆協力:福永太郎

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