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Photographed by tsubottlee

間仕切りのない広々とした空間はインテリアを自由に楽しみやすい反面、開放的だからこそ、コーディネートの腕が試される場所でもあります。

元インテリアショップ勤務で、現在も暮らしに関する仕事に携わっている岩部さんに、お部屋づくりのポイントや日々の工夫について伺いました。

「部屋紹介編」はこちらから↓

お名前(職業):岩部さん(服飾・雑貨など暮らしにまつわるECサイト運営、制作担当)、妹
場所:福岡県
面積:1LDK/48平米
築年数:35年
住居形態:マンション

暮らしのアイデア①
自分の心地よさを住まいに加える

これまでの仕事を通じて学んだことや経験が、お部屋づくりにも自然と反映されているという岩部さん。家具や雑貨は、偏りすぎずバランスを意識して選んでいるそうです。

「ベースとなる家具は、ナチュラル〜チークのウッドをバランスよく配置できるように選んでいます。長く使っても飽きが来ないように、野暮ったくなく、できるだけシンプルなものを取り入れているんです」

一方で、チェアや照明など一部のアイテムにはヴィンテージものや少しクセのあるデザインを取り入れ、空間にアクセントを加えているそう。

シンプルにしすぎると、ありきたりで、他と変わらない部屋になってしまいがち。

アクセントを加えるときは、自分自身の心地よさを大切にしていると岩部さんは話します。

「自分の好きなものや、心地よいと感じられるものを取り入れることが、自分らしさを表現することにもつながると思います。とはいえすべてにこだわるのは大変なので、アクセントとして加えるくらいが、無理なくお部屋を楽しむコツかなと思います」

部屋紹介編」でも紹介したヴィンテージの照明やアイテムたちは、岩部さんにとって心地よさを感じられる存在。

心から好きだと思えるものが空間にあれば、日々の暮らしの満足度も自然と上がっていきそうですね。

暮らしのアイデア②
視線を奪うスポットをつくる

賃貸物件で広々とした空間を優先すると、どうしても収納が限られてしまう、という悩みも。

岩部さんの住まいでも、生活感のあるアイテムとの付き合い方は試行錯誤の連続だそうです。

「キッチンの食器や調理器具はキャビネットに収納できても、冷蔵庫や調理家電は隠せません。生活感が強く出てしまうので、なんとか目立たなくできないか考えています」

そこで取り入れたのが、視線を引きつけるレイアウト。たとえば冷蔵庫の横に大きな食器棚を置くことで、視線が自然とそちらに向き、家電の存在感を薄くできているといいます。

食器棚そのものはもちろん、オープン収納に並べられた器類はどれもお気に入りのものばかり。

気になる部分をただ隠すのではなく、別の魅力的なスポットをつくることで、空間全体のバランスが整って気分も上がるように工夫しています。

暮らしのアイデア③
収納にメリハリをつける

どれだけこだわった住まいでも、すべてを完璧に整えるのは難しいもの。

岩部さんは、ご自身の性格に合わせて「無理のない収納」を意識していると話します。

「几帳面ではないけれど、ごちゃっとしていると落ち着かなくて……。とはいえ、隅から隅まで整えるのは難しいので、『見えるところだけきれいにしておけばOK』という感覚でやっています」

LDKには2つの収納棚があり、そこだけはしっかり整えておくようにしているそう。

逆に、衣類収納やあまり使わないアイテムが集まる場所は気になったときに見直す程度で、日々はざっくり管理にとどめているとのことです。

SNSでは「丁寧な暮らしですね」と言ってもらえることが多いけれど、本当はそんなことないんですよ、と岩部さん。

「飽き性なので、収納棚を寝室とリビングで入れ替えたり、収納グッズを変えてみたり。気になったタイミングで大きく見直すこともよくあります」

日常のちょっとした整理整頓と、定期的な気分転換。両方をうまく取り入れながら、暮らしと自分自身の心地よさを考え、実践する姿が印象的でした。

日々の発見や工夫は、岩部さんのSNSでも発信されています。

これからの暮らしのアップデートにも注目が集まりそうです。

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