Photographed by tsubottlee
今から約5年前、コンクリートの「何もない箱」だった空間を、DIYを取り入れながら好きなもので満たした住まいにつくり変えたアマノさん。
今回、引っ越しをした新居に訪れると、部屋の雰囲気も暮らしの形態も異なる新生活がスタートしていました。

場所:東京都
面積:1LDK / 38平米
家賃:約11万円
築年数:30年
住居形態:マンション
間取り図:

前回とはガラッとテイストの異なる、白を基調とした日当たりのいい住まいでのふたり暮らし。
変わらず集めているお気に入りのアイテムや、住まいと趣味の変化から新たに構築されたスペースについてお話を聞きます。

この部屋に決めた理由

アマノさんの新居は、さまざまな物件を検討するなかで辿り着いたもの。決め手はずばり、以前の部屋とのギャップでした。
「ひとり暮らしからふたり暮らしに変わるなかで、各々の通勤のしやすさから場所の見当をつけて、賃貸だけでなく、分譲も含めて探しました。
最終的に選んだこの住まいは、コンクリート打ちっぱなしだった前の部屋とギャップがあり、これまでと違ったインテリアが楽しめそうなところに惹かれました」

「前回は日が入りづらい暗めの空間だったので、三面採光で日当りがよく明るいこと。間取りも癖がなく家具のレイアウトがしやすそうだったこともいいなと思いこの部屋に決めました」
コンクリートの無機質な部屋から、無垢材の床に白い壁紙の明るい部屋へ。新たな暮らしも楽しもうとする様子が、物件選びから伺えますね。
お気に入りの場所
シンプルで調理器具も映えるキッチン

グリーンのタイルが印象的だったキッチンから一転、シンプルなシステムキッチンに。使いやすさとこだわりのアイテムが映えるスペースとなっています。
「キッチンは以前よりもスペースが広くなり、使い勝手もよくなりました。毎日料理をつくってくれるパートナーがメインで使う空間になっています」

「サンワカンパニー製で無駄のないデザインも気に入っています。ものが配置しやすく、収納も十分あって料理道具等も映えますね」
収納は毎日使うパートナーに任せつつ、ディスプレイはアマノさんも少し手を加えながら一緒につくったキッチンスペース。これからさらにふたりらしさが出てくる空間かもしれません。
お気に入りを集めたコーヒーコーナー

キッチンと対面するスペースに設けられているのがコーヒーコーナー。
コーヒーを淹れるのはアマノさんの担当ということで、使う道具からディスプレイまで自身が選んだこだわりのアイテムで構成されています。

調理家電も白で揃えて、美しく整然とした収納に。
「住まいの色に合わせて、無印のライトグレーのユニットシェルフを取り入れました。コーヒーはほぼ毎日淹れるので、グッズやディスプレイもお気に入りで揃えて気分をあげています」

パートナーからも「毎日、美味しいコーヒーが出てくるのが嬉しい」と好評の声をもらっているそう。撮影中にも、美味しいコーヒーを淹れていただきました。
お気に入りのアイテム
コーヒースペースを彩るアイテムたち

そんなコーヒースペースの傍で存在感を放っていたのが、Peter Ivyの「Light Capsule」。以前の住まいから変わらず使い続けるお気に入りの照明です。
「前の住まいで、ダイニングスペースの照明として使っていたものです。保存瓶のような洗練されたデザインで、部屋のどこに設置しても存在感がありますね」

灯りを点けると、ガラスが反射して違った美しさに。キッチンの一角を、落ち着いたカフェのような空間に演出していました。

前の住まいから引き継いで使っているものが多いなかで、最近仲間入りしたお気に入りが底凹みガラス瓶。
「SNSで偶然見つけたものです。なかなか出回らないため時間をかけて探していたところ、展示で販売されるタイミングを見つけて購入しました。
底の凹みは機能性を考えてのものなのか、お祝い事などでカードを入れておくディスプレイとしてのものなのか、諸説あって分からなかったのですが、そんなミステリアスなところも含めて気に入っています」
思い出とともに増え続けるカップや器たち

以前の部屋でもお気に入りとして紹介してもらった、ベルギー王室にも取り入れられている名門磁器メーカー・ROYAL BOCHと、北欧を代表するテーブルウェアのブランド・ARABIAのカップは、現在も増え続けているそう。

「ひとつひとつ手描きされたあたたかみのあるデザインが好きで、持っていないデザインのものを見つける度に購入しています。カップとして実用的にも使っていますが、コレクションとして収集している面もあるので、今後も増えていくと思います」
美味しいコーヒーやお茶が、お気に入りのカップでより美味しく。シンプルな空間に彩りも加えていました。

「パートナーが料理をしてくれることもあり、ふたり暮らしになってから食事用の器にもこだわりを持つようになりました。なかでも菊地亨さんの器は釉薬のヒビや手触りの質感、土っぽい色合いが好みです。
ふたりで訪れた旅先で、デザイン面と実用性を考慮して話し合いながら少しずつ増やしていっています」
寝室のペンダントライト

住まいが変わっても空間の主役であり続けているのが、krank marcelloの照明。
「前の部屋から大切に使っています。高さ調節ができるので、スペースに合わせて使えて便利です」

寝室には、パートナーのお気に入りであるナマケモノのぬいぐるみも。前回同様に洗練された空間でありながら、遊び心が加わって新たな部屋の魅力となっていました。
残念なところ

コンクリート打ちっぱなしの空間から引っ越したということもあり、気になっているのは壁紙の質感。
「リノベーションで綺麗になった物件ではあるのですが、ベッドルームとリビングに使われている壁紙が少しチープな印象なのが気になっています。
リビングの掃き出し窓に窓枠をつくるなど、前の住まい同様にDIYを進めているので、今後は壁紙も変えたり、好みの空間になるよう手を加えていく予定です」
これからの暮らし

新しい部屋づくりはまだ始まったばかり。ふたりにとっての理想に向けてアップデートしていきたいとアマノさんは話します。
「気になる部分はDIYなどで手を加えつつ、空間の使い方についてはこれからの課題だと思っています。
お互いにひとりの時間をとりたくなったときに上手く空間を区切る方法はないか、作業スペースをつくって居場所をつくれないかなど。見た目だけでなく、心地よい暮らしのためにできることを考えていきたいですね」

互いの生活のスタイルを尊重しながら、心地よさにつなげていく。
抜け感のある洗練された空間は変わらずありながらも、生活があたたかく満たされるような充足感を感じる“しつらえ”の変化を感じました。





