Photographed by tsubottlee
都内でありながら自然豊かで、ベッドタウンとしても人気のエリア。
最寄駅から車で数分走った先の閑静な住宅街に、今回ご紹介するhataさんの住まいはありました。
場所：東京都
広さ：2LDK / 80平米
築年数：5年
住居形態：戸建て
間取り図：
もともと親族の住まいを引き継いで暮らしていたhataさんご夫妻。
築年数の古さを考え、子どもが生まれたことをきっかけに、気になっていた建築家に建て替えを依頼することに。
土地を有効活用した間取りと理想の暮らしを実現するためのこだわりについて、お話を聞きました。
住まいを決めた理由
hataさんが実家を立て替えるにあたり、特に変えたかったと話すのが間取り。ライフスタイルやお子さんの成長を考え、建築家の堀内雪さんの自邸も参考に、住まいのイメージを膨らませていったそう。
「堀内雪さんの自邸を目にする機会があり、新しい住まいを建てるならこんな人にお願いしたいと依頼することにしました。
以前の住まいは北側に設けられた玄関や水回りに光が入らず、キッチンも暗め。間取りは3LDKですが、LDKは狭く、庭は道路に面して外から丸見えと、気になる部分が多くありました」
「新しい住まいでは、狭い土地でもなるべく光や風が取り込める間取りに設計していただきました。中庭を囲んだコの字型の間取りで内側に大きな窓を設け、外からの光を取り込みつつ、プライベートな空間も保たれるようになっています」
気になる点を明確にし、建築家とともにつくり進めたことで、理想のライフスタイルが実現していました。
お気に入りの場所
明るく生まれ変わった玄関
以前の住まいとは、玄関に入った瞬間から空間の印象が大きく変化。明るく、意匠にもこだわったスペースになっています。
「前の玄関からは想像できないくらい明るく、また面積も広くとってもらったおかげで、家に入る瞬間から気持ちよく過ごせるようになりました」
入ってすぐの洗面台の窓枠やシューズボックスの扉もこだわりの1つ。
「住まいづくりを進めるなかで、建具として使えるパーツを残して玄関の各所に取り入れてもらっています」
造作のシューズボックスには、hataさんお気に入りの扉を付けてもらったそうです。
景色と収納にこだわったキッチン
コの字の窓際から中庭の景色を眺められるキッチンは、妻・Aさんこだわりの空間。
「キッチンはアイランド型にしたいとお伝えしていました。そのなかで提案を受けたのが、コの字の中庭を眺めながら料理のできる、今のキッチンです」
家での時間の多くは、家族揃って1階で過ごしているというhata家。
お子さんはミニバスに夢中で、中庭で練習。ご夫婦はキッチンやダイニングからその様子を眺めるのが日課になっているそう。
オープンなキッチンは、収納にもこだわりが。メーカーのシステムキッチンで設計が進むなかで、どうしても取り入れたいとリクエストしたのが、黒のインディアンラックです。
「新しい住まいに迎えたいと思っていたツェツェ・アソシエのラックが当初、販売終了で手に入らず……。設計途中で調整いただき、イギリスのお店から個人輸入しました。今ではわが家の見せる収納の顔になっています」
ご夫婦揃って器が好きというhataさん。見せる収納棚には思い入れのあるものたちが並んでいました。
ゆったりくつろげるバスルーム
hataさんがこだわったと話すのがバスルーム。
「落ち着ける時間をつくりたくて、バスタブは大きくしたいという思いがありました。Pinterestなどで集めたイメージを建築家さんに共有するなかで、今のバスルームの提案を受けました」
窓から光が入り、壁もクリアガラスで開放感のある浴室は、ホテルのようにゆったりとくつろげる空間になっていました。
お気に入りのアイテム
新居で使いたかったバブルランプ
住まいの設計前から、アイテム探しを進めていたというhataさん夫婦。ダイニングのバブルランプも絶対に使いたいと思っていたインテリアの1つです。
「オカベマキコさんの『しゃぼんランプ』は、カラフルで柔らかい灯りが気に入っています。表参道のお店で実物を見て、夫婦で購入を決めた思い入れのある照明です」
収納力を高めるシェルフ
ダイニングとキッチンの間に置かれたIDEEのシェルフは、一昨年購入した比較的新しいインテリア。上段はディスプレイスペースに、下段に書類をまとめて収納していました。
「娘の学校のプリントなど収納しないといけないものが増えてきたときに、新しく迎え入れたものです。陶器と鉄と木材の異素材の組み合わせが好きで、とても気に入ってます」
コート掛けにもなるガラスフック
2階へ上がる階段の前に設けられたガラスフックは、hataさんが長年欲しいと思っていたアイテム。
「5年前に表参道のCIBONEで見てから、ずっと欲しかったものを一昨年ようやく手に入れました。デザインはもちろん、コートなどの一時置き場としても便利で気に入ってます」
残念なこと
効率的な設計と開放感ある空間を実現しているhataさんの住まいですが、家族の成長によって工夫が必要になってきているのが収納。
「狭い分どうしても、収納には頭を悩ませることが多いです。
子どもが成長したりペットが増えたりして物量の変化がある度に、収納を買い足したり、今あるものを見直したりしてなんとかしてスペースをつくっています」
これからの暮らし
お子さんと2匹の猫が加わった新しい住まいには、収納と同様に空間づくりにも柔軟な対応が必要だと考えているhataさん。
「建て替え前の家では夫婦でよくDIYをしていたのですが、現在の住まいも自分達で手を加えてより過ごしやすく、楽しい空間にしていきたいですね。特に子ども部屋は、壁の色を変えたり、ロフトの使い方を再検討したりと、快適に過ごせるようにしたいです」
暮らしの課題をクリアにして理想の住空間をつくったように、家族の変化にも対応しながら、これからより楽しい暮らしを実現していく姿が目に浮かびます。今後のお部屋の発信にもさらに目が離せませんね。
