Photographed by Kaoru Mochida
都内某所。
大きな商店街を有し、その生活のしやすさから都内でも人気のエリアにjinさんは住んでいます。
jinさんが住まいとして選んだのは、築50年以上のレトロなアパート。実家が旅館であるjinさんにとって、この築古物件の風合いはむしろ味として受け入れられ、妻のremiさんと一緒に部屋づくりを楽しんでいます。

そんな2人の部屋を紹介した記事に続き、今回はjinさんたちが実践している暮らしのアイデアを紹介します。
理想に暮らしを合わせるのではなく、ありのままの自分たちに暮らしを合わせていく。背伸びをせず、等身大な日々を楽しむためのアイデアを、ぜひご覧ください。


House of MarleyのSTIR IT UP WIRELESS TURNTABLE


暮らしのアイデア①
部屋中の仕切りをなくす
前回の記事でも紹介した、扉を取っ払った押し入れ。中には2人のアクセサリーやバッグなど、多種多様なアイテムが並べられています。


お店の陳列棚のように工夫された押し入れですが、その効果は単なるディスプレイ以上。この部屋の印象を左右する、大きな役割がありました。
押し入れの扉をなくすことは、入居する前の段階で決めていました。扉がないだけで圧迫感がなくなり、この部屋の開放感もかなり上がったように感じます(jinさん)
さらに、なくしたのは押し入れの仕切りだけではありませんでした。部屋を見渡すと、実はここにも仕切りがあった痕跡が。

寝室とリビングの合間にも、本来は仕切りがあったはず。しかしそれも今は取り外され、大きなワンルーム風のレイアウトになっています。
部屋の構造をこんなに簡単にアレンジできるのは、障子などの仕切りが多用される、日本的建築ならではでないでしょうか。
退去するときは、最初の位置に仕切りを戻せば元通り。賃貸だとできる工夫も限られますが、ちょっとした工夫や思い切りで、部屋の印象はここまで変わるのです。
暮らしのアイデア②
あえて隠さない、見せる収納
料理好きが高じて長年勤めた会社を退職し、現在は「鈴」というケータリングサービスを経営するjinさん。料理を仕事とするjinさんですが、以前まではBEAMSに勤務し、アパレルスタッフとして働いていました。
また妻のremiさんも古着屋で勤務していた経験があり、夫婦そろっての服好き。そんな2人の洋服収納はこのような感じです。

2人とも服が好きで、結構な量の洋服が……。この量の衣類を見せないように収納すると、かなりの大きさの棚が必要になり、圧迫感も出てしまいます。ならば、隠さずに見せる収納にしようと。好きな洋服やお気に入りの1着がパッと目に入るので、気分も上がります(jinさん)

使用しているアイテムは、ごく一般的なものばかり。金属ラックと突っ張り棒を駆使して、ちょっとしたウォークインクローゼット風に仕上げられています。
引き出しのある棚だと、中に収納できる量も限られますからね。オープンタイプなら、量も見せ方も自由度が高いので気に入っています(jinさん)
暮らしのアイデア③
築古アパートならではのウィークポイント
取材を進めている最中、「これめっちゃわかります」とカメラマンが共感したのが、まさかの配線。あまり気にしていなかったが、たしかに、かなりの長さの配線がエアコン横から延びていました。
築古物件なのでたまに不満を感じる部分もあるのですが、コンセントの位置はその最たるものです(jinさん)
リビングに設置されたコンセントは、エアコン横に取り付けられたこの1箇所のみ。頭よりも高い位置にコンセントがある未知の設計は、jinさんを相当悩ませたようです。
最終的には延長コードをたくさん買ってきて、延長コードをさらに延長する方法に落ち着きました。コードが垂れ下がらないように固定するなど、結構大変でしたね……(jinさん)

カメラマンも過去に似たような部屋に住み、同じ苦労を味わったそう。築古の和風物件ではあるあるのようなので、入居をお考えの方は事前に確認しておくといいかもしれません。
暮らしのアイデア④
まるでショップのようなバッグの見せ方
jinさんとremiさんには共通の趣味が多い。
そのうちの1つがキャンプや山登りなどのアウトドアアクティビティです。キャンプ用の道具を日常使いすることもあるという言葉のとおり、部屋にはアウトドアのギアがちらほら。


L.L.Beanのバックパック・ビーチ・チェア
一方、普段は使わない登山用バッグやプライベートでよく使うカバンは、元アパレルスタッフらしい見せ方で収納されていました。


100均で買ってきたS字のフックと突っ張り棒を使って、押し入れにしまっています。この部屋に遊びに来た友人から、必ず褒められる収納術ですね(jinさん)
お店のようにバッグが正面を向く形で、きれいに並べられています。この並べ方を可能にしているのが、jinさんがダイソーで見つけた、アルミツイストS字フック。

上下でフックがねじれているので、バッグを正面向きで吊るすことが可能。このように並べれば、奥行きのある押し入れスペースを最大限活用できます。
“無理せず続けられる”が大事
突っ張り棒、S字フック、延長コード……。
2人が暮らしをよくするために使っているアイテムは、100円均一やホームセンターで簡単に手に入るものが中心です。

無理をせず、性格や暮らしに合わせて部屋を整えていく。
そんな2人が編み出した気軽に試せる暮らしのアイデア。ぜひみなさんも、お部屋に取り入れてみてはいかがですか?
詳しいお部屋のインタビューはこちらから↓
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